超愚痴

世の中が間違ってるとか,今更再確認するような事でもない.ウチの塾自体がそもそも歪んだ世の中の皺の上に立っているようなものなのだ.いやそれは言い過ぎが.
たとえば,小五の時から面倒を見てきたニコラ(偽名,中一女子)が,もともと頭のいい子のはず(私感)なのに,今勉強が思うようにいかないのは,決して本人の怠慢のせいだけでは無いし,ましてや能力が劣っているからなどではないのだ.
普通のあたりまえの学校環境で普通に勉強するのは,大概の子がこなしていけることだろう(というかそれでなくては制度としてマズイが).この子が可哀想なのは,前にも書いたが,この子の通う公立中学校が荒れていることだ.最近は学級崩壊もあたりまえすぎてニュースにならないが,確かにそこにあるわけで.そういう,授業が成り立たないし,周りの友人も全然勉強しない環境においては,たとえば彼女のように,その状況に甘んじてしまうことはありふれたことで,むしろ独り勉強しろという方が酷なことだ.しかしそのような状況であるからこそ,彼女が内の塾に通っていることが重要になって来るわけで...あぁ,もし彼女がちゃんとした学校に通い,真面目に学徒してたなら,「先生,だーい好き!」とか言ってくれたりして,楽しく授業できただろうに(妄想).
今日などは,テストも近いし,でも全く気が抜けて身が入っていないニコラに,わたくしはつい説教をしてしまったのだよ.「君はせっかく才能があるのに〜」とか「数学はつみかさねだから〜」とか,「三年生になってからやろうったって〜」とか,おきまりの文言にとどめておいたって,ねぇ.ニコラはわたくしが注意なり説教なりすると,とても良い反応するんだよ.それも,こちらが想定する限りの理想的な!なんて可愛いことか!
だけど,彼女に"演技"をさせといてそれで満足できるほど,今の習熟度は楽観視できる状況では無かったので,今回は加えていろいろ言わせてもらったのですよ.わたくしの言葉でね.
君は将来何がしたいのかと言う問いに,彼女の答えはない.それはあたりまえのことだし想定済みだ.
「ならば君は,どの階級で生きたいと思っているのか?」
「悪いが,世の中 階級社会なんだよ.収入と,それと相関する学歴と!階級を決めるのはそれなんだよ.君が将来の生活を思い描くなら,どのレベルの生活を想定しているのか」と,ヒエラルキーを描きながら,中一娘に説明するオレ.キモイ.
彼女の家はちょっと小金持ちっぽくて,本人はとてもお洒落で,少しそれを鼻に掛けているような感じ(わたくしの妄想)なので,それを考慮しつつ,彼女の自尊心を刺激する戦略だったのだが....
一応わたくしの熱意は通じたかのようだったが,しかし他に言いようが無いものかと.もう言ってて,自分でも違和感で気持ち悪くて,胃が痛くなって.授業が終わるなり化粧室の洗面台にうつぶせて水道を流し続ける.あぁなんて言うのが正解なんだろう.なんて言うのが生徒のためになるんだろう.その場にいた吉D先生とかに検証して欲しかったのに.彼は先に仕事が終わって帰っちゃうし.塾長代理女史がフォローしてくれたから少し落ち着いたけど,もう次のコマは殆ど上の空だったんだ.
どうでも良いことだが,生理的な不快感や嫌悪感でなくて,何かメンタルな問題から→吐き気がする,っていう叙述は,小説とかで良く目にするが,それが単なる心理描写としての比喩ではないことを,初めて知った.