お裾分け

たとえば美人のお姉さんがたまたま肉じゃがを作り過ぎて,お隣に住んでいる理系男子学生にお裾分けするというのは,シチュエーションとしてはふつーにあり得る事のように思います.あるいはお姉さんでなくても美人の大家さんとか人妻さんとか未亡人さんだった場合でも,お裾分けは十分に可能ですし,理系男子学生の代わりもいろいろと代入可能でしょう.
ところが,理系男子学生がたまたま料理を作り過ぎた場合にはなかなかそうはいきません.特に,寡黙でコミュニケーション能力の低い ある理系男子学生の場合は,当然陽気なご近所づきあいなどなく,隣人の顔すら知らないありさま.ましてや理系男子学生が作る料理なんか押しつけられても,近所迷惑でしかありません.さらに不幸なことは,彼は理系男子学生の中でも社会的地位の最も低い,他の何者からも唾棄されるべきオタク男子であるがため,一般社会とは解消しようのない軋轢があり,お裾分けの成立可能性は絶望的なまでに低いと言わざるを得ません.だから彼が作りすぎた料理は彼が全て平らげるか,あるいは鍋のなかでその身の腐るるを待つばかりとなることでしょう.
というわけで,日曜日に鍋一杯に作ったクリームシチューは,作った本人がすでに飽き飽きてしまい,いかんともし難い状況におかれました.なのでわたくしは昨日学校の友人らの意志を確認し,今日はタッパー(900ml)にシチューを詰めて学校まで持って行ったのでありました.えーと,そんなに評価は低く無かったというか,食えない事も無いようで,残飯処理は無事成功を収めました.いやわたくしの判断で不味ければ,とうに捨てられていたでしょうから,当然の評価ともいえます.
とりあえず今回わたくしが学んだことととしては,クリームシチューは毎晩食べたい料理ではないと言うことと,ご近所へのお裾分けでなくても友人を利用した余剰食糧の在庫圧縮が可能であるということです.あーめん