研究室争奪戦

わたくしの感覚では,研究者が好き勝手なことをするために一番重要なのは,地位です.機械畑の人でも,成り上がれば物質科学寄りな仕事で予算がもらえるんです.特に複合的な領域での研究は微妙に持て囃されることもあるので,偉くなれば結構自由な仕事が出来るようになるはずです.
しかしこれは,遠回りも可能だと言うだけの話しで,自分の専門にすることが自分が一番やりたいことであるのが一番てっとりばやいし幸運なことで,そしてその幸運がつかめない可能性が今のわたくしにはあると言うことです.つまり自分の希望する研究室の定員に対して希望者が超過しているということです.
決め方は学生に任されていますが,決め方を決めると言うことはあぶれる奴を決めると言うことにも等しいことです.なんとも酷で憂鬱な話しでありまして,できれば音便に済ませたいことであります.
というかそもそも,「他の人のやりたいこととか,金になるようなことは他の人にやってもらって,自分は他の人のやりたがらない,金にならない仕事をしよう」というのがわたくしの掲げる建前の一つなの(実際には非常に積極的な理由があります)ですが,こんなにも環境系の仕事をやりたがる人が多いとは想定外のことです.何でみんなそんなにストイックなのでしょうか,信じられないことです.
とにかく安寧の日は遠い向こう岸です.