自殺者が毎年3万人超えるような日本とか,他の先進国においては,(健常人に限ると)人々が幸せになるためにこれ以上の科学技術は要らないというか,物質的に充実することが,人々の幸せに必ずしもつらがらないということは,昔からさんざん言われていることです.(わたくしが思うに,わたくしどもの世代の科学者が達成すべき命題で,人の幸福に繋がりそうなものは,環境を浄化することとか,HMX−12相当のメイドロボを創ることぐらいです.)そこで,精神面でわたくしたちを充足させてくれるような,何かが必要になってくるわけです.寂しさを埋めて,生きる喜びを感じさせてくれるようなものがです.何を求めるのかというか,何に縋るかということは,自覚的な人間はおよそ自分で好きに選べば良いと思います(選ばない人は知りません).オタクはギャルゲーだけやっていればきっと幸せにちがいないです.蒙昧な人間には,自分が所属する共同体がきっと何らかの型を示してくれたことでしょう.
精神面で人々を不幸から救済してくれるものとして,わたくしが密かに宗教に期待するのは,志摩子さんが敬虔なクリスチャンであることはあまり関係ありませんが,もし志摩子さんがそうでなかったら,わたくしが今日学校のある講義室で開かれたゴスペルコンサートにキャッチされていくことは無かったでしょう.立教の女の子が言うにはなんというか,韓国のゴスペル歌手が関東の大学を巡ってコンサート(無料)を開いてまわっているということらしい.(留学生は多いが)神も仏もない東工大生にいったい何を聴かせようと言うのかと,どういう人間が何を意図してこのようなことを催すのか興味があったので捕まって聴きに行ってみたのです.

歌のことはよく分かりませんが,別の人(東大OBらしい)が曲の合間に話した説法はとても僧っぽくて,良い話しだったとおもいます.
わたくしとかは,割と仏教育ちなので仏教には別に抵抗はないのですが,他の宗教には結構引いてしまうところがありますが,立教さん(仮名)は学校がキリスト教系だから,礼拝するのも福音歌聴くのもあたりまえってゆーか自然なことらしい.そういえば,リリアン女学園はじめ,そういう学校は結構あるものだから,そういう人も結構いるのだよなぁとしみじみ思ったりしました.えっとなんかいろんな大学の人が絡んでるらしく,うちの学校でもゴスペル愛好会というサークルが関わっているらしい.いろんな人がいるもんだ.
で,今回の講義室巡業ライブは,今週日曜(と先週日曜)のヨハン早稲田キリスト教会での大コンサートのためのキャンペーンということで,是非来て下さいという話しになりました.わたくしのような不心得者を善意で誘って下さるなんて,甲斐の無いことをさせてすまないなぁと思ってました.ええ,渋っていると,東大D2!の陽気な兄ちゃんが絡んできて,超伝導トークになり変な状況になりました.わたくしは立教さんともっとシリアスな話しがしたかったのになぁ.
結局,わたくしの無礼な興味はあんまり満たされないままでした.虎穴入らずんば虎児を得ず?でもそこまでしたいともおもわないしな.ちょっと興味深いことは,わたくしが「やはり宗教的なものには構えてしまう」といったら「宗教とかじゃなくて,普通のコンサートですよ」と平然と言う立教さん.そんなはずは無い.「宗教で何がイケナイのか!」と諭されたい場面ですね.オタクが決まって自分のことを「オタクじゃない」というのと,何が違って同じなのかなぁとか,微妙に考えてみたり.