歌姫

歌姫 白い花 黒い花 (コバルト文庫)

歌姫 白い花 黒い花 (コバルト文庫)

スイとユリアの友情が主従関係へと発展しました.スイ受け.スイ誘い受け
二冊目にして世界観もだいぶまとまってきたかな.とりあえず歌姫(ロジエル)が暴漢に対すれば無力な所も素敵です.ストーリーの本筋からは離れて,わたくしがこの作品でとっても気になるのは,制度や権力によって彼女たちの人生が彼女たちの意志に関係なく定められたり変えられたりする中でも,歌姫達はそれを自分の人生だと受け止めて,さも幸せそうにしているなんだか全体主義的な雰囲気があること.でスイ姉さんは大人なので自分の人生を生きてる感じですが,ユリア嬢の堅実さは自分の生き方を自分で決められない幼さ故の事だとおもったり.とりあえず,彼女たちを取り巻く枠組みに対して問題提起をしてくれそうなキャラはマーティスさんぐらいですが,それをして,ユリアを心的に解放するようなそんな話はきっと無いです.
挿絵は相変わらず,ユリアさん(16)の顔がやわらかそうで可愛いです.羨ましい.