最後の晩餐一回目

今日を以て,F井が退職(予定)でございました.生徒には特に何も告げず,黙って去るつもりのようです.わたくしだったら,きっと 最後だしとか思って女の子を抱きしめてしまうでしょうに.塾長代理女史は花束を,塾長は使い古しのジュラルミンケースを(これは本当に意味不明で,本人も迷惑がってました),わたくしは自分の漫画を(これは本当に意味不明ですが,本人は面白がって見てくれました)贈りました.なんというか,彼の代わりになる人材はいない(経験と人柄と生徒との信頼関係)とのことで,塾長代理女史は一生懸命引き留めてましたし,彼は軟弱なので愛想の良い返事をしてしまい,ヴォリュームを絞りつつ仕事は続けるような気がします.まぁ,夜わたくしと一緒になることは,もう無いかも知れません.仕事が終わったあとで,いつものように無駄話.で塾を出るのが24時...2時間半しゃべってたことになります.それからラーメン屋で一杯,わたくしのおごりです.店を出たのは25時.実際,ここ数ヶ月,わたくしが一番良くしゃべっていた相手はたぶんF井でありまして,彼とは仕事の事から政治や学問や恋愛に至まで何でも話していたので,わたくしが仕事を楽しく続けられたのもF井せんせいと仲良くなれたおかげでありまして.今でこそ塾のドンみたいな感じでありますが,一番最初に親しくなったのはF井だったし.一年半前,わたくしは塾の同僚と特に仲良くしようとはあまり考えて無かったし,F井の事もただのチャラ男だという認識しか無かったのですが,奴は「先生同志仲良くした方が仕事が楽しいはずだ」といってわたくしに話しかけてきたのです.彼の主張は全く以て正しかったと,思います.ああF井,お前は良い奴だよ.
次に去るのはわたくしの番です.