言うこと聞かない生徒

塾で働いて，しばらく前までずっと叱り方に困っていたのでした．自分もまるで子供であるかのような至らない人間なので，対して年の違わない（？）反抗期の少年に，ガツンと言ってやるのはなかなか難しくて，辛いことでした．で，ガツンと言ってアイツが大人しくなれば，よし ちゃんと叱ってやったぞ！と満足するわたくしなのでした．
今思えば，塾でも家庭でもがみがみ言われ，アイツの自尊心はとても傷つけられていたのだと思います．アイツは，「オレなんか勉強したってしょうがない」と言ってました．わたくしは「怠けてんじゃねえ」と叱るだけでしたね．アイツの自尊心を回復させようという思いは，終ぞ浮かばなかったのです．塾は，勉強していい成績取って，いい学校に進学するという共通の目標をもった生徒が来るものだと言う前提で，その目標を達成するために生徒を指導します．親も，それを分かっていて子供を塾に通わせます．そして，その目標を共有していない子供は，問題児として扱われることになります．うちは個別指導です．生徒の学力にあった指導をしますが，それは成績UPという共通の意図によって為されます．流れに乗れない子供は傷つき，勉強が嫌いになったり，大人が嫌いになったり，社会が嫌いになったりしてしまうかも知れません．
とりあえず，叱るだけではだめなのだ，という問題意識を持ちました．そこからさきは，まだ分からない．
あぁ，教養が足りない．