午前中は読書,午後から仕事.あぁ優雅なものだ.

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

SF百合色小説(嘘).この作者についての予備知識は何も持っていなかったが,かなり頭おかしそうだ.この小説が一人の人間の脳から生まれただろうことに,畏怖の念すらおぼえるぐらい,膨大な哲学的含蓄が詰まっている.少年少女が(不教養なわたくしは名前も知らないが)偉い人のなにやら高尚そうな著作を引用し,問答しまくる.しかしこれは青春ドラマだ.主人公が,自分の抱えるもやもやした感情に,一つ一つ名前をつけて理解していく.感情そのものはありふれているかもしれないが,それの理解の仕方,付ける名前あるいはコンセプトは,鋭い感性に溢れている.というかわたくし自身がこの本を読んだ感想を上手く言葉にできないのはつまり,上手く理解できていないからに違いない.しかしそれはこの本が悪いのではなくわたくしの頭が悪いのだ.とにかく,2巻を直ちに手に入れ無ければならない,と 餓えるわたくしはここにいるのだ.