風の王国

ミドルティーンの女の子が商人達の陰謀に略取翻弄されながらも,前向きに成長していく話.
同業者が時流に応じて,敵になったり味方になったり,赤兎は裏切ったり裏切られたり.変遷する人間関係の中でウィシス嬢は,人の言葉に思惑を透かし,決して過信しない冷静な視点を獲得します.それは傷ついた少女が大人(というか一人前の商人)として成長調していく過程です.
終始王子様役に徹する慧兄さんとウィシスの恋人未満な関係も見所です.ニヤニヤしてしまいます.
あと,この作者らしく,今巻もヒロインは相当痛めつけられてます.拷問です.その容赦の無さが作品のリアリティを増していますが,ひいいい〜って感じです.このシリーズの王子様はいつもヒロインが嬲られてから登場するのよね.