ちょい読書感想 魔法鍵師カルナの冒険

最終巻となりましたが,もう一冊ぐらい書いても良かったんじゃないの?てゆーか書いてほしい.特にスターリングとカルナの後日談とか,ミラとエクセラの後日談とか.
ちょっと,個人的にすごく面白かったのが,「最後まで読むと心を病む魔法が掛けられた日記」というアイテム.冗談みたいですね.エクセラの影の暗さを象徴するようです.
それから,エクセラの心の鍵の解錠法が期待通りでうきうきです.多分ミラは学生時代から,エクセラの好意にもライバル心にも気付いただろうね.だけど見て見ぬふりをしていたがために,エクセラがああなってしまったことに対して,負い目を感じてたんじゃないかな.それ以上にミラ自身がエクセラを好きだったんだろうけどね.だから,あの解錠法は結構昔から思いついてたんでは無いかと.エクセラも結局,世界征服がしたかったというより,ミラに勝ちたかったというのが本心なんじゃないかと思ってみたり.この辺,本編でもっとエクセラに語ってほしかったなぁ.
とにかく,ミラのエクセラに対する好意を前提として物語を俯瞰すると,だいたいすっきりするのよね.なんでミラ先生はそこまでするのかなって事は,だいぶ前から疑問におもってましたし,ミラ先生の言い分はいかにも義理堅くって,(執着している様子はありましたけど,)あんまり愛情を匂わせなかったのよね.だけど最後には,「自分のエゴのために」 とか 「ミラの本心を確かめたい」 ってことになって,結局そのエゴの前提には,エクセラが好きだって気持ちがあるんだろうなとか.
そんなわけで,あたりまえのように百合小説を書いてくれたこの作者は,次の仕事でもきっと百合百合したやつを書いてくれることでしょう.