藤田嗣治展とか

藤田嗣治については,全然知らなくて,電車に貼られたポスターで惚れて行くことにしたのです.同伴者はpggm.
天気も穏やかで,近代美術館は結構な混み具合.入場制限がされて30分ぐらい待ちました.
客層は老人が中心.大変どうでもいいことですが,「美術館は女の子同士で行くところ」という認識は,同調してくれる人が少なく,現実との乖離も甚だしい.そろそろこのような主張をするには限界かもしれません.
絵は,かなり良かったというか,とてもツボでした.なんというか,若いころの作品が,褪せた色使いのものが多く,人の表情も陰鬱で,特に自画像などはもうとてもアヤシイ人で,個人的にかなり気に好きです.そして,やたらと猫やら子犬やらの小動物を描いている.しかもとても可愛い.裸婦像の傍らには徹底して猫が配され,面白くって仕方がない.
それから,戦争画数点.どれもヤバイ.藤田の作風っぽくない絵ばかりと思いますが,縺れ合う兵士達の様子や表情も戦場の激しさを伝えます.さながら神話のようで神々しささえ感じる,エネルギーのこもった絵でした.空や影の色なども分解されて透明感があり,わたくし好みだったり.
それからこの人,爺さんになってからは,やたらと幼女を描きまくっている.しかも顔がキャベツ人形みたいに,ちょっと憎らしい感じで,色や小物などもとてもポップで面白い.戦争前に日本にいた時に描いた力士などの日本人像もかなりデフォルミックでおもしろおかしい感じでしたが,年取ってからいっそうそれが激しくなって,絵画と言うよりポップアートみたいなってきています.
晩年に描かれた宗教画もかなり記号的な図が多いというと語弊がありますが,ごりごり描き込んだ天使や聖母の組み合わせ方がとてもわざとらしく記号的で,なんともいえない不思議な雰囲気があります.
と言う感じで,かなり満足.よく知らない事もあって,あまり期待はしていなかったのですが,かなり楽しめました.お土産にカタログとポストカードとクリアファイルを買いました.


それから,工芸館によってから丸の内公園を抜けて,靖国神社を参拝.実は初めて.なんというかでかくて広くて,威厳があって結構いいところなんですね.日本の平和を本気で祈って来ました.
さらに歩いて神保町.ここも初めて.もう東京に3年以上住んでいるのにこんな様子とは,如何に自分が引き籠もりなのかよく分かります.それに基本的にぇーぁぃは中距離移動(ここでは徒歩十分圏内が近距離,電車にのったら遠距離)をしないので,テリトリーが点であることも見逃せません.しかしこれには事情があって独りで無闇にあるくと迷子になるのでかなり困るところです.なので何処へ行くにも,ナビ付の友人が欠かせないと思う今日この頃でした.