熟練度

錬金術師レベルと言う概念は,抽象的には何となく分るようなきがして,それが具体的にどのような尺度で定性定量されるモノかと疑問を挟む様なことはわたくしにはありませんでした.しかし,疑問にも思っていない問題の答えに,思いがけず至ってしまうようなことも世の中には無くはないわけで,とどのつまり,わたくしは最近,実験には知識以外にも熟練と手練れが必要であると身を以て理解したわけであります.まるで料理のようです.
わたくしは家で実験するタリウム少女のような趣味はなく,高校時代も化学部とかに入ったりとかはせず,最近になってせいぜいパンの焼成をするぐらいなものでありますから,他人と比べてむちゃくちゃ経験値が高いと言うわけではありません.しかしながら,学部1年の時はべつに1つもとんなくても生きていける実験系科目の,化学実験,物理実験,生物実験の全てを履修しきりましたので,カエルの解剖スキルぐらいはあります.しかし,そんな半端な経験が今現状たいして役に立っていないことは,文脈から明らかであります.


教科書はもこう書いてありました.「分析実験の精度は個人の天性の素質と,経験によって養われる練度による」....天性の素質....試薬を飛散させて教官に叱られるぇーぁぃにこれがあるとは到底思いがたく(いかん,書いてて悲しくなってきたぞ),経験によってカヴァーするよりありません.とりあえず,最近みについた事は,ガスバーナーの火の様子から火炎温がわかるとか 同時に度白金坩堝を赤熱したときの色で温度がだいたい分かるとか,アルカリ溶融して坩堝にへばりついたガラス状の固体を坩堝から引っぺがす方法とか,地味な補助スキルばかりですがこういう地道な経験の積み重ねが一流の錬金術師への道なのでしょう.ゆくゆくは溶液を見ただけでpHが分かるようになりたいものですが(無理).