若冲

行ってきました
若冲と江戸絵画
同伴は研究室の先輩,わたくしが敬愛して止まない Sお姉様.美術館は平日の午前中に行くのがイチバンという事で朝の九時半から上野に行って参りました.おかげさまで,たいした混雑に遭遇することもありませんでした.
絵の方は展示作品は101点と多くないですが, その分大柄なのが多かったというか,両隻そろった屏風が何枚もあってかなり圧巻でございました.
若仲の作品は,真面目に鳥を描いたものが多く展示してありまして,上記リンク先にも画像のある,紫陽花双鶏図などは,目玉なだけあて なんというかかなりヤバイ.羽の一枚一枚に施された執拗な描き込みと,それが流れをもって組み合わさりうねり広がるリズム感.雄鳥と雌鳥の姿やポーズのジェンダリックな対比も面白い.それからわたくしが好きなのが,この鶏達の足下.雑多な植物が茂るこのカオスっぷり.江戸とかそれ以前の絵画って,結構モチーフを絞って 画面をシンプルにデザインしたものが多い中で,こういう真面目にリアルっぽい地面を構成してるのは珍しいのではなかろうか.
それからこの人の水墨画がかなりやばい,というかおかしい.花鳥人物図屏風は植物が独特のデザインでデフォルメされ薄墨でのっぺりと塗りつぶされ,影絵の様になってしまっている.その性か,屏風全体もミステリアスな雰囲気.なんというか衝撃的でした.当時としてはかなり前衛的な絵だとおもいます.他にも,たった二本の曲線で卵様に鶴の姿を描いたり,あと六曲一双の屏風に大陸の禽獣をモザイクアートで描いたりとか,ワケの分からない事をいろいろやっている.たぶん頭がおかしい(讃辞).
それから他の作者の作品のなかでは,わたしは円山応挙の懸崖飛泉図屏風がいちばん好きです.詳しくは省略.
とりあえず,デカイ屏風が沢山展示してあって,それらを見るだけでも貴重な機会とおもいます.


二周廻って,流石に足腰にきました(老).椅子に座って休憩してから,駅下のイタ飯屋さんでランチを頂きました.
夕方までおつきあい下さいましたお姉様に感謝.